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鮮烈な色で花や金魚を撮り、木村伊兵衛写真賞を受けた写真家は、映画監督としても『さくらん』『ヘルタースケルター』を手がけました。近年はクリエイティブチームEiMと組み、TOKYO NODEで25万人を集めた没入型の展覧会を皮切りに、各地で展示を展開しています。
縦6メートル、横24メートルの牛の皮に描いた《皮緞帳》。鴻池朋子は美術館の壁を出て、山小屋や離島、仮設住宅へ作品を運びます。人と動物、神話と現代をつなぐ活動を、はじめての人にもわかるように紹介します。
薄い布が風を受けて波のようにうねる《Liminal Air》、暗闇に光る巨大な壺《Gravity and Grace》。大巻伸嗣は空間そのものを作品に変え、体で感じさせる作家です。高松港と東京・紀尾井町では屋外作品を無料で見られます。
セーラー服の少女の髪の分け目が、そのまま田んぼのあぜ道になる。会田誠は、日本画や戦争画の様式を借りて、美少女、戦争、サラリーマン、社会への皮肉を描く現代美術家です。森美術館での大規模個展で議論を呼んだ作家の、作品と経歴を事実にもとづいて紹介します。
仏像とダマスク模様とストリートファッションが、一枚の絵の中で同居する。ニューヨークを拠点に活動する松山智一は、東洋と西洋、古典と現代を混ぜ合わせる画家です。JR新宿駅東口の鏡面の彫刻《花尾》は、誰でも無料で会える代表作。日本と米国を行き来した生い立ちが、作品の根っこにあります。
万博跡地の「未来の廃墟」で遊んだ少年は、放射線を感知するスーツや火を吹く巨大ロボットを作る作家になりました。ヤノベケンジの作品は「生き延びること」がテーマ。大阪中之島美術館の《SHIP'S CAT (Muse)》など、関西の街なかで無料で会える作品が多いのも魅力です。
駅の水漏れ対策をまねた装置、電極をさした果物が鳴らす音。毛利悠子は身の回りの物をつなぎ、目に見えない力が動く様子を見せます。2024年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表。その帰国展が2026年11月まで横浜美術館で開かれています。
サイボーグ姿の自撮り写真で1990年代に世界へ出た森万里子は、いま宮古島の海辺に光の柱を立て、豊島では星の死に反応するガラスを光らせています。テクノロジーと祈りを結ぶ作家の全体像を、2026年秋には森美術館の大規模個展で見られます。
傾いた床、迷路のような部屋、色だらけの集合住宅。荒川修作はマドリン・ギンズと組み、体で使うことで感覚をつくり直す「天命反転」の建築を残しました。岐阜の養老天命反転地と東京の三鷹天命反転住宅は、今も歩いて体験できます。
1960年代のアングラ演劇ポスターで時代の顔となり、1972年にはニューヨーク近代美術館で個展を開催。1981年の「画家宣言」以降は、故郷の三叉路を描き続ける《Y字路》シリーズなどで絵画の道を歩みます。神戸と豊島には横尾作品だけの美術館があります。
鯉が泳ぐ水面に裸足で入り、花が降る部屋に寝転ぶ。2001年から活動するアートコレクティブ・チームラボは、鑑賞者の動きで刻々と変わるデジタルアートで世界中の人を集めています。豊洲のプラネッツ、麻布台ヒルズのボーダレス、京都のバイオヴォルテックスなど、常設の施設が多いのも特徴です。
2021年、代々木公園の上空にビル6〜7階分の巨大な顔が浮かびました。現代アートチーム・目[mé]の《まさゆめ》です。アーティスト・ディレクター・インストーラーの3人が中心となり、鏡の水面や時計の群れで「現実の不確かさ」を体験させる作品を、芸術祭や美術館で発表し続けています。
西洋美術が流れ込んだ明治以降、日本の画家が抱えた矛盾と選択を論じた古典的名著。黒田清輝や青木繁らを具体的に読みながら、日本の近代絵画がなぜあのような姿になったのかを明快に説き明かします。
批評家スーザン・ソンタグが、写真という行為そのものを倫理と権力の問題として論じた古典的評論集。撮る・見る・集めるという当たり前の営みに潜むものを暴き出し、いまも写真を語る言葉の土台になっています。
半世紀以上読み継がれてきた仏像入門の古典が、正編と続編を一冊にまとめた完全版として再刊。釈迦如来から地蔵菩薩まで十の像種を取り上げ、なぜそのかたちなのかを美術史と哲学の両面から解き明かします。
国立競技場などを手がけた建築家が、8年をかけて書いた日本建築論。西欧の様式やモダニズムと出会った日本の建築家たちが何に葛藤し、どこへ向かったのかを、作り手の視点から読み解いていく新書です。
戦後から現在までの現代美術を、欧米・日本・国境を越えた動きの三部構成でたどる新書。作品を様式ではなく社会との関わりから読み解き、なぜアーティストが差別や災害を主題にするのかが腑に落ちる一冊です。
全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと各地の美術館をめぐったノンフィクション。言葉にして伝えるという行為を通じて、見えているつもりだったものがいかに曖昧かに気づかされる、読み物として抜群に面白い一冊です。
上野公園の奥、東京藝術大学の構内にある大学美術館。前身の東京美術学校・東京音楽学校から135年以上かけて集めた約3万件を収蔵し、高橋由一「鮭」や狩野芳崖「悲母観音」など国宝・重要文化財33件を含みます。
アサヒグループ大山崎山荘美術館は、京都府大山崎町の天王山麓にある美術館です。実業家・加賀正太郎が建てた英国風の山荘を本館とし、安藤忠雄設計の地中館・山手館を併設。モネの《睡蓮》連作と、民藝運動ゆかりの作品群を所蔵しています。
上野の森美術館は、公益財団法人日本美術協会が運営する美術館です。1972年4月に開館し、JR上野駅公園口から徒歩3分。VOCA展、上野の森美術館大賞展、日本の自然を描く展など、自主企画の公募展を長く続けている美術館です。
決まった様式を持たず、ネオン、映像、音、彫刻を横断してきた作家です。直島のベネッセハウス ミュージアムには、生と死を組み合わせた100の言葉が明滅する《100生きて死ね》が常設され、夜まで鑑賞できます。
覗き込むと底が見えない黒い穴、街並みを丸ごと映し込む巨大な鏡。カプーアは彫刻を「置かれた物」ではなく「空間の穴」として扱ってきました。金沢21世紀美術館には、光を吸い込む暗闇の作品が恒久展示されています。
絵にライフルを撃ち込むところから出発し、極彩色のふくよかな女性像「ナナ」にたどり着いた作家です。箱根の彫刻の森美術館には屋外に《ミス・ブラック・パワー》が立ち、直島の海辺にも彼女の彫刻が置かれています。