東京藝術大学大学美術館:東京美術学校から続く、日本近代美術の母胎のコレクション

東京藝術大学大学美術館:東京美術学校から続く、日本近代美術の母胎のコレクション

美術館

上野公園の奥、東京藝術大学の構内にある大学美術館。前身の東京美術学校・東京音楽学校から135年以上かけて集めた約3万件を収蔵し、高橋由一「鮭」や狩野芳崖「悲母観音」など国宝・重要文化財33件を含みます。

はじめに:美術館というより、日本近代美術の資料庫

東京藝術大学大学美術館は、東京都台東区の上野公園にある大学附属の美術館です。前身である東京美術学校と東京音楽学校の時代から135年以上にわたって集められた作品・資料を引き継いでおり、その数は約3万件にのぼります。国宝・重要文化財は33件。日本の近代美術を学ぼうとするとき、この館の収蔵品を避けて通ることはできません。

時代背景:学校の教材として集められたコレクション

1887年(明治20年)に設置された東京美術学校は、日本で最初の官立の美術教育機関でした。ここでの収集は、鑑賞のためというより、学生が手本とし研究するための教材として始まっています。古美術の名品を購入し、模写を作らせ、卒業制作を収めていく。その積み重ねが、結果として日本近代美術史そのものを映すコレクションになりました。学校が美術館を持ったのではなく、教育の記録がそのまま美術館になった館だといえます。

3つの見どころ

  • 高橋由一「鮭」: 重要文化財。荒縄で吊るされた新巻鮭を実物大に近い大きさで描いた、日本近代洋画の出発点に置かれる一点です。
  • 狩野芳崖「悲母観音」: 重要文化財。芳崖が没する直前に描いた絶筆で、伝統的な仏画の主題を近代日本画の表現へと橋渡しした作品として知られます。
  • 卒業制作の自画像群: 油画科では卒業時に自画像を提出する慣習が長く続いてきました。のちに巨匠となる画家たちの学生時代の顔が並ぶ、この館ならではの資料群です。

鑑賞のコツ

常設展示はありません。展覧会の会期中だけ開館し、会期外は閉まっているため、訪ねる前に必ず開催状況を確認してください。本館のほかに陳列館と取手館があり、陳列館では学生や研究室の発表展が短い会期で次々と開かれます。上野公園には東京国立博物館や国立西洋美術館が並んでいるので、あわせて回る一日にすると効率よく見られます。

施設情報・アクセス

  • 住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
  • アクセス:JR上野駅公園口から徒歩約10分、JR鶯谷駅から徒歩約11分、東京メトロ千代田線根津駅から徒歩約10分
  • 開館時間:10:00〜17:00(展覧会により異なる場合があります)
  • 休館日:月曜日(月曜が祝日の場合は開館し、翌平日休館)。常設展がないため、展覧会の会期外は閉館します

豆知識

収蔵品には絵画や彫刻だけでなく、東京音楽学校が集めた楽器や、近代の美術教育に使われた資料も含まれます。美術と音楽の両方の学校を前身に持つ、この大学ならではの成り立ちがコレクションにも表れています。

開催中・開催予定の企画展

開催中藝大式 美術の"ミカタ" ―この夏、藝大生になる―|所要時間と見どころ

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東京藝術大学大学美術館

2026年7月24日2026年9月23日

終了まであと14日