目黒区美術館:目黒の街になじむ、近現代美術とデザインの実験場
目黒駅から徒歩圏内にある区立美術館。国内外の近現代美術や目黒ゆかりの作家を紹介する企画展を中心に、美術だけでなくデザインや建築まで幅広いテーマを扱う意欲的な運営で知られます。
はじめに:区立美術館らしい親しみやすさと企画力
目黒区美術館は、1987年(昭和62年)11月に開館した目黒区立の美術館です。目黒川沿いの目黒区民センター内にあり、目黒駅から歩いて行ける便利な立地にありながら、テーマ性の強い企画展で美術ファンからの評価が高いことで知られています。設計は日本設計事務所、鉄骨鉄筋コンクリート造の地上3階・地下1階。約250名の作家、2,000点を超える作品を所蔵し、企画展の内容に応じてこれらの収蔵作品もあわせて紹介されます。区民のための施設でありながら、専門家がわざわざ足を運ぶ美術館という、稀有な二面性をもった館です。
コレクション:海を渡った日本人画家たち
収蔵の大きな柱となっているのが、国吉康雄や藤田嗣治のように欧米へ渡って国際的に活動した日本人作家の、海外滞在期の作品群です。藤田嗣治「赤毛の女」「メキシコの少年」、パリで活躍した田中保「金髪の裸婦」、高野三三男「ヴァイオリンのある静物」など、日本の近代美術史を「外から」眺め直すような作品が並びます。草間彌生「鏡の部屋-愛は永遠に」といった戦後美術の重要作も収めており、区立館という枠には収まらない厚みがあります。異国で自らの表現を探した画家たちの仕事を集めるという方針そのものが、日本近代美術の見取り図を一段深いところから描き直す試みになっているのです。
3つの見どころ
美術に留まらない企画テーマ
絵画・彫刻の展覧会だけでなく、デザインや建築、さらには絵具や画材そのものの歴史といった切り口の企画展を継続的に開催しています。「素材や技法から美術を考える」姿勢を貫く数少ない区立美術館として一目置かれています。
海外で活動した日本人作家
藤田嗣治や国吉康雄をはじめ、他館では出会いにくい滞欧・滞米期の作品にまとまって触れられます。地域に根ざしながら、視線はしっかり世界へ向いているコレクションです。
目黒駅からの好アクセス
JR山手線と地下鉄各線が使える利便性の高さも、気軽に立ち寄れる魅力のひとつ。画材や技法を実際に試せるワークショップにも力を入れており、見る・知る・作るが地続きになっているのがこの館の流儀です。会期ごとに性格ががらりと変わるため、「次は何をやるのだろう」と予定を追いかけたくなる美術館でもあります。
施設情報・アクセス
住所: 〒153-0063 東京都目黒区目黒2-4-36(目黒区民センター内)
アクセス: JR山手線・東京メトロ南北線・都営三田線・東急目黒線「目黒」駅から徒歩約10分。東急バス「田道小学校入口」下車 徒歩約3分
開館時間: 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日: 月曜日(祝日・休日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間
観覧料: 展覧会ごとに異なります。中学生以下は無料