東京富士美術館:八王子の学園都市に眠る、西洋絵画500年の旅
1983年に八王子で開館した、日本・東洋・西洋の美術約3万点を誇る大規模私立美術館。ルネサンスから現代まで西洋絵画500年を一望できる油彩画コレクションと、国内有数の写真コレクションで知られます。
はじめに:学園都市に築かれた美の殿堂
東京富士美術館は、1983年(昭和58年)11月に東京西郊の学園都市・八王子に開館した私立美術館です。創価大学に隣接する丘陵地に建ち、日本・東洋・西洋の各時代にまたがる絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど、収蔵品は約3万点に及び、私立美術館としては国内屈指の規模を誇ります。開館以来、海外の美術館との交流展を積極的に重ねてきたことでも知られ、自館のコレクションを世界各地へ貸し出す一方で、大規模な西洋美術展を国内に招致してきました。
コレクション:西洋絵画500年を一望する
最大の特色は、ルネサンス、バロック、ロココ、ロマン主義、印象派を経て現代に至るまでの西洋絵画500年の流れを、油彩画コレクションで体系的にたどれることです。常設展示室にはおよそ100点がこの流れに沿って並び、教科書に登場する潮流の変遷を実際の作品で追体験できます。中核となるのがジョルジュ・ド・ラ・トゥール「煙草を吸う男」で、1646年の作、1985年に同館が入手した、画家の署名が確認される貴重な一点です。ほかにもジャック=ルイ・ダヴィッド工房「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」、ターナー「ユトレヒトシティ64号」、モネ「睡蓮」、ルノワール「赤い服の女」など、美術史の節目を飾る作品が揃っています。あわせて、写真の誕生から現代までを概観できる写真コレクションも国内有数の充実ぶりです。
3つの見どころ
ラ・トゥール「煙草を吸う男」
闇のなかで煙管の火だけが人物の顔を照らし出す、夜の光の画家ラ・トゥールならではの一枚です。世界的にも現存作品の少ない画家の真作を、日本で落ち着いて見られるのは大変貴重な機会といえます。
西洋絵画500年のコレクション
ルネサンスから20世紀まで、様式の移り変わりをひと続きに体感できる圧巻のラインナップです。ダヴィッド工房「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」が掲げる英雄像から、モネ「睡蓮」の光の分解までを、同じフロアで見比べられます。
国内有数の写真コレクション
写真の誕生期の古典技法から現代の表現まで、メディアとしての写真の歴史を通覧できます。約3万点という私立館としては破格の収蔵規模を背景に、企画展ごとに新しい発見があるのも同館の魅力です。
施設情報・アクセス
住所:〒192-0016 東京都八王子市谷野町492-1
アクセス: JR中央線・京王線「八王子」駅からバス「創価大学東京富士美術館」下車
開館時間: 10:00~17:00(受付終了16:30)
休館日: 月曜日(祝日・振替休日の場合は開館し、翌火曜日が振替休館)、年末年始、展示替期間
観覧料: 常設展・館蔵品展は大人800円、大学生・高校生500円、小中学生200円。企画展は展覧会ごとに料金が異なります。