ナショナル・ギャラリー(ロンドン):トラファルガー広場に建つ、西洋絵画の教科書
ロンドンの中心・トラファルガー広場に面する国立美術館。ゴッホの「ひまわり」やファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」など、13世紀から19世紀の西洋絵画を無料で鑑賞できます。
はじめに:市民のために作られた美術館
ナショナル・ギャラリーは、1824年にロンドンで設立された国立美術館です。きっかけは、保険ブローカーで美術愛好家だったジョン・ジュリアス・アンガースタインが遺した絵画38点を、イギリス政府が買い取ったこと。当初はペル・メル街にあった彼のタウンハウスを改装して公開されました。王室コレクションを母体とする大陸の美術館とは異なり、「特権階級だけでなく一般市民のための美術館」という理念を掲げて出発した点が特徴で、その理念どおり現在に至るまで常設展は無料で公開されています。トラファルガー広場という、ロンドン観光の中心地に建つ立地も大きな魅力です。
コレクション:西洋絵画の教科書
13世紀半ばから20世紀初頭までの西洋絵画を2,300点以上収蔵し、時代ごとの展示室を順に巡ることで、西洋絵画史の流れを一望できる構成になっています。イタリア・ルネサンス、フランドル絵画、スペイン絵画、そして印象派まで、まさに「絵で学ぶ美術史の教科書」というべきコレクションです。現在の建物は1838年にウィリアム・ウィルキンズの設計で完成し、1991年にはロバート・ヴェンチューリとデニス・スコット・ブラウンによるセインズベリー翼が増築されました。このセインズベリー翼は改修を経て2025年5月に再オープンし、あわせて1991年以来となるコレクションの全面的な展示替えが行われています。
3つの見どころ
ヤン・ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻の肖像」: 緻密な写実描写と、奥の凸面鏡に画家自身らしき姿が映り込む仕掛けで知られる、北方ルネサンス絵画の最高傑作のひとつです。
ハンス・ホルバイン「大使たち」とターナーの傑作群: 画面下部に引き伸ばされた頭蓋骨が潜む「大使たち」は、当館を代表する謎めいた一枚。またイギリス絵画の巨匠J.M.W.ターナーの「戦艦テメレール号」「雨、蒸気、速度」も収蔵されており、いずれも当サイトの名画記事で紹介しています。
ゴッホ「ひまわり」とダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」: ゴッホが繰り返し描いたひまわり連作のうち特に有名な一枚と、ルーヴル版とは異なるレオナルドの「岩窟の聖母」独自ヴァージョンを、同じ館内で見ることができます。
施設情報・アクセス
所在地: イギリス・ロンドン(Trafalgar Square, London WC2N 5DN)
アクセス: ロンドン地下鉄「Charing Cross」駅から徒歩約2分
開館時間: 10:00〜18:00(金曜は21:00まで)
休館日: 12月24日〜26日、1月1日
観覧料: 常設展は無料。特別展のみ有料です。
代表作ギャラリー



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