睡蓮の池:モネが自分の庭に架けた日本風の太鼓橋
- 作者
- クロード・モネ
- 制作年
- 1899年
- 所蔵
- ポーラ美術館
- 所在地
- 神奈川県箱根町
モネが1899年に描いた《睡蓮の池》は、ポーラ美術館(神奈川県箱根町)の所蔵品です。ジヴェルニーの「水の庭」と、浮世絵にあこがれて架けた日本風の太鼓橋を描いた18点の連作の1点。日本で本物に会える貴重な睡蓮の絵で、2026年8月時点では展示中です。
柳の枝が垂れる水面に睡蓮が浮かび、その上を日本風の太鼓橋がまたいでいます。クロード・モネが1899年に描いた《睡蓮の池》は、神奈川県箱根町のポーラ美術館が所蔵する一点です。モネが自らつくった庭を描いた連作のひとつで、日本国内で本物を見られる貴重な《睡蓮》です。
《睡蓮の池》とは
制作年は1899年、技法は油彩・カンヴァス、大きさは88.6×91.9センチメートルで、ほぼ正方形の画面です。ポーラ美術館での作品番号は006-0340、原題は「Le Bassin aux nymphéas」とされています。
モネは1883年にパリ近郊のジヴェルニーに移り住み、「花の庭」と「水の庭」をつくりました。「水の庭」には池を掘って睡蓮を植え、日本の浮世絵に描かれたような日本風の太鼓橋を架けています。本作は、この池と橋を描いた18点の連作のうちの1点です。モネはこののち、時間や天候による光の変化が池の水面におよぼすさまざまな効果へと関心を深めていきました。モネの家と庭は1966年に国家へ遺贈され、現在は公開されています。
「水の庭」のまわりには、柳や竹、桜、藤、あやめ、牡丹などさまざまな植物が植えられました。つまりこの池は、自然の風景をそのまま写したものではなく、モネ自身が絵のためにつくり上げた場所です。描くべき対象を先に育て、それを何年もかけて描き続けるという、モネならではの制作のしかたがこの一枚の背景にあります。
どこで見られる?
- 所蔵先:ポーラ美術館
- 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285(富士箱根伊豆国立公園内)
- 展示状況:2026年8月の時点で、公式サイトの作品ページに「展示中」と表示され、展示室1で公開されています。ただし通年の常設展示ではなく、ポーラ美術館は所蔵品を入れ替えながら公開しています
- 観覧料:大人2,200円、大学・高校生1,700円、中学生以下無料。障害者手帳をお持ちの本人と付添者1名までは1,100円です
- 開館時間:午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)。展示替えのための臨時休館があります
展示状況や観覧料は所蔵館の公式サイトで確認してください。
見どころ3選
- 日本風の太鼓橋:浮世絵に親しんだモネが自分の庭に架けた橋です。日本人にとってはなじみ深い形が、フランスの庭に置かれている面白さがあります
- 水面の睡蓮:白や桃色の花が短い筆触で点々と置かれ、近づくと絵具のかたまり、離れると水に浮かぶ花に見えてきます
- 緑一色の画面:橋も柳も水面も緑でおおわれ、空がほとんど見えません。風景を切り取るのではなく、水面そのものを画面にした構図です
この絵が日本にある理由
ポーラ美術館は、ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年かけて収集した作品を母体として、2002年9月6日に開館しました。西洋絵画のほか、日本の洋画、日本画、東洋陶磁、ガラス工芸、化粧道具まで幅広い収蔵品をもち、なかでもモネの作品は同館コレクションの柱のひとつになっています。
建物は「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、高さを地上8メートルに抑え、多くを地下に置いて森にとけこむよう設計されました。展示室には独自に開発した照明システムが採用され、作品がもっとも美しく見えるよう配慮されています。
日本の浮世絵にあこがれて庭に太鼓橋を架けたモネの絵が、いま日本の森のなかの美術館におさまっている。この行き来のような巡り合わせは、作品を見る時間をより豊かなものにしてくれます。ポーラ美術館はモネのほかにもルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ピカソなどの重要作を所蔵しており、一日かけて西洋近代絵画の流れをたどることができます。
まとめ
《睡蓮の池》は、モネが自らつくった「水の庭」と日本風の太鼓橋を描いた18点の連作のうちの1点で、ポーラ美術館の所蔵品です。2026年8月時点では展示室1で公開されていますが、展示替えのある美術館ですから、訪問前に公式サイトの作品ページで「展示中」の表示を確認しておくと安心です。


