やんばるアートフェスティバル:世界自然遺産の森で冬に開くアートの祭典
沖縄本島北部のやんばる地域を舞台に、冬に開かれる芸術祭です。2016年のやんばる国立公園指定を機に始まり、廃校をメイン会場に大宜味村、国頭村、名護市を巡ります。2024-2025は2025年1月18日から2月24日まで開催されました。
はじめに:やんばるの森と海を舞台にした、沖縄県初の広域芸術祭
やんばるアートフェスティバルは、沖縄本島北部の「やんばる」地域を舞台とする芸術祭です。2016年にやんばるが国内33か所目の国立公園に指定されたことを機に構想され、2017年12月9日から翌年1月8日にかけて第1回「ヤンバルニハコブネ」が開かれました。沖縄県内では初となる、複数の市町村を横断して行うアートイベントです。第1回のエキシビション部門には椿昇、照屋勇賢、高木正勝ら27組が、クラフト部門には琉球びんがたや木工、陶器、琉球ガラスなど21組の工房が参加しました。メイン会場は大宜味村立旧塩屋小学校。会場は大宜味村内のほか、国頭村や名護市にも広がります。2024-2025の会期は2025年1月18日から2月24日まで、テーマは「山原本然(やんばるほんぜん)」でした。
絶対に知っておきたい!3つの見どころ
1. 廃校がメイン会場になる
メイン会場の大宜味村立旧塩屋小学校は、その名の通り使われなくなった小学校の校舎です。教室、廊下、体育館といった空間がそのまま展示室になります。子どもたちの声が消えた建物に作品が置かれると、場所自体が持つ記憶が作品に重なってくる。廃校を会場にする芸術祭は各地にありますが、亜熱帯の光のもとで見る校舎はまた違う表情をしています。工芸や現代美術など幅広い分野の作家が参加し、教室ごとに空気が切り替わっていきます。2024-2025では総合ディレクターを写真家の仲程長治、アートディレクターをナガオカケンメイが務め、エキシビション部門とクラフト部門にそれぞれ専任のディレクター・キュレーターが立つ体制が取られました。
2. 世界自然遺産の自然と一緒に味わえる
やんばるは、固有種の宝庫として世界自然遺産に登録された森を抱える地域です。会場から会場への移動そのものが、亜熱帯の森と海沿いの道を巡る旅になります。喜如嘉保育所の跡地、泡盛の蔵であるやんばる酒造、辺土名商店街と、会場のひとつひとつが土地の暮らしに直結しているのも特徴です。テーマ「山原本然」には、「本来あるべき元々の姿」という意味とともに、やんばるがやんばるのままであり続けることへの想いが込められている、と公式サイトは説明しています。
3. 沖縄の観光シーズンを外した冬開催
会期が真冬に設定されているのが、この芸術祭の大きな特徴です。海水浴の季節を外しているため、宿も道も比較的落ち着いています。沖縄の冬は本州よりはるかに過ごしやすく、森を歩くにはむしろ適した時期です。過去7回で延べ35万人ほどの来場者が参加してきました。オクマプライベートビーチ&リゾートやカヌチャリゾート、恩納村のBEB5沖縄瀬良垣、那覇のホテル アンテルーム 那覇などがサテライト会場となる回もあり、滞在先そのものが会場になることもあります。
開催概要
- 開催地:沖縄県本島北部(大宜味村、国頭村、名護市ほか)。メイン会場は大宜味村立旧塩屋小学校
- 主な会場:大宜味村立旧塩屋小学校/やんばる酒造/辺土名商店街(ほかリゾートホテルのサテライト会場)
- 開催ペース:2017年の第1回以来、例年冬に開催(2025-2026シーズン以降の開催は未発表)
- 開催時期:冬。2024-2025は2025年1月18日から2月24日まで
- アクセス:那覇空港から沖縄自動車道経由でレンタカーが便利。大宜味村までは車でおよそ2時間。会場が広域に分散するため車での移動が前提です
- 主催:やんばるアートフェスティバル実行委員会(共催:大宜味村)
まとめ
沖縄のアートというと、那覇の街なかや離島を思い浮かべるかもしれません。しかし本島北部のやんばるには、森と海と廃校を舞台にした芸術祭が続いています。メイン会場は火曜・水曜が休みで、開館は11時から17時と短めなので、初日に旧塩屋小学校を押さえ、翌日以降に周辺の会場をまわる組み立てが現実的です。冬の沖縄を訪れる理由を探している方には、この上ない目的地になるはずです。次回の会期は公式サイトで確認してから計画を立ててください。
