福井県立美術館:岩佐又兵衛の奇想と、福井の日本画コレクション
福井市にある福井県立美術館。江戸時代の「奇想の絵師」岩佐又兵衛の傑作や、横山大観、下村観山をはじめとする日本美術の至宝を、落ち着いた和の建築空間で堪能できます。
はじめに:名勝・養浩館庭園近く、日本の美を静かに伝える平屋の建築
福井市の「幾久公園」に隣接する福井県立美術館は、1977年に開館しました。福井の伝統的な町家や瓦屋根を思わせる低い水平ラインの平屋風デザインが特徴で、落ち着いた畳敷きの展示コーナーを設けるなど、日本画の鑑賞にふさわしい静謐な和モダンの空間が構築されています。
時代背景:岩佐又兵衛と福井の歴史
江戸初期の「奇想の絵師」として近年大ブームとなっている岩佐又兵衛は、松平忠直が治めた時代の1616年(元和2年)に京都から福井(北ノ庄)へ移り住み、約20年間をこの地で過ごして多くの代表作を描きました。当館は又兵衛のコレクションにおいて国内最高峰の重要性を誇り、彼の描くユーモラスかつ奇怪な人物画の魅力を発信し続けています。
3つの見どころ
- 岩佐又兵衛の人物画: 又兵衛ならではの「豊頬(ほうきょう)長顎」と呼ばれる独特な顔立ちの人物たちが生き生きと描かれた絵画。
- 近代日本画コレクション: 横山大観や川合玉堂、下村観山などの大正〜昭和期の巨匠たちの繊細な屏風画。
- 和紙を用いた展示演出: 越前和紙(福井の重要工芸)をライティングのシェードなどに使用した、優しい光の演出。
鑑賞のコツ
名勝「養浩館庭園」(江戸初期の美しい数寄屋造りの庭園)も車で数分の距離にあります。美術館での日本画鑑賞と、庭園の美しい池を眺めるプランを組み合わせるのが、最高の美意識の旅になります。
施設情報・アクセス
- 住所: 〒910-0003 福井県福井市下馬3-1111
- アクセス: JR「福井駅」よりバスで約10分「県立美術館前」下車すぐ
- 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始
- 公式サイト: 福井県立美術館
豆知識
岩佐又兵衛は「浮世又兵衛」の異名を持ち、浮世絵の源流に位置づけられる絵師です。戦国武将・荒木村重の子として生まれ、落城から乳母に救い出されたという数奇な生涯も、その劇的な画風と重ねて語られています。