原美術館ARC:伊香保の山並みを望む、磯崎新設計の木造ブラックパビリオン
群馬県渋川市(伊香保)にある原美術館ARC。世界的建築家・磯崎新設計の真っ黒な木造パビリオンと、アンディ・ウォーホルなどポップアートから世界の現代美術、さらに東洋古美術が融和する美しい山中の展示空間です。
はじめに:高原の緑に浮かび上がる、黒いピラミッド建築
群馬県渋川市の榛名山麓の広大なグリーン牧場に隣接する原美術館ARCは、1988年に「ハラ ミュージアム アーク」として開館しました。2021年に東京の「原美術館」と統合され、新装オープン。世界的建築家・磯崎新が設計した建物は、ピラミッド状の屋根を持つ真っ黒な木造建築が並び、そのミニマルかつ鋭利な意匠が高原の美しい緑と美しいコントラストを見せています。
時代背景:東京のアヴァンギャルドと伊香保の静寂の統合
1970〜80年代、東京・品川で日本の現代アートの発信地として絶大な人気を誇った「原美術館」の貴重な世界のアートコレクションと、古美術の「原六郎コレクション」をすべてこの伊香保の地へ集約。アンディ・ウォーホルやジャスパー・ジョーンズなどの最一級の現代アートと、近世の日本絵画を同時に比較鑑賞できる、非常に贅沢な知的空間へと進化しました。
3つの見どころ
- 磯崎新設計の真っ黒な木造ギャラリー: 自然光を柔らかく取り入れた、幾何学的で木の温もりがあるモノトーン空間。
- ジャン=ミシェル・オトニエル「こころの門」: 屋外の芝生広場にたたずむ、ガラスビーズで作られた巨大な美しいハートの彫刻。
- 古美術「原六郎コレクション」: 南宋時代の国宝「青磁下蕪花生」をはじめとする東洋古美術の名品を、特別展示室「觀海庵」で現代美術と響き合わせながら展示。
鑑賞のコツ
伊香保温泉に近く、観光の途中に立ち寄るのに最適な立地です。敷地内のカフェでは、展示作品をモチーフにしたアートケーキが非常に人気で、屋外彫刻を眺めながらティータイムを楽しめます。
施設情報・アクセス
- 住所: 〒377-0027 群馬県渋川市金井2855-1
- アクセス: JR上越線「渋川駅」より伊香保温泉行きバスで約15分「グリーン牧場前」下車徒歩約5分
- 開館時間: 9:30~16:30(入館は16:00まで)
- 休館日: 木曜日(祝日の場合は開館、8月は無休)、冬季閉館期間あり、展示替え期間
- 公式サイト: 原美術館ARC
豆知識
前身である東京・品川の原美術館(2021年閉館)は、東京国立博物館本館などを手がけた渡辺仁設計の邸宅建築でした。その活動とコレクションがこのARCに集約され、ウォーホルら現代美術の名品と原六郎コレクションの古美術がひとつ屋根の下に同居しています。