三重県立美術館:曽我蕭白の奇天烈な障壁画と、近代洋画の架け橋
津市にある三重県立美術館。江戸中期の「奇想の絵師」曽我蕭白のダイナミックな襖絵や、ルノワール、ダリ、シャガールなどの西洋美術、柳原義達の彫刻コレクションを所蔵。
はじめに:緑豊かな高台に佇む、彫刻と光の回廊
三重県津市の閑静な高台、緑に包まれた総合文化センターの近くに1982年に開館した三重県立美術館。建物は自然光を大きく取り入れたエントランスとガラスの回廊が印象的で、前庭や中庭には国内外の彫刻が美しく配置され、散策するだけでも心が洗われる空間設計となっています。
時代背景:奇想の天才・曽我蕭白と三重の寺社
曽我蕭白(1730-1781)は江戸時代中期の京都の絵師ですが、伊勢(三重県)の地を愛し、生涯に複数回この地を訪れて寺院の襖や屏風にダイナミックで狂気を含んだ傑作を描きました。当館はこれらの蕭白の代表作を数多く保管・公開しており、日本有数の蕭白コレクションとして知られます。
3つの見どころ
- 曽我蕭白「旧永島家障壁画」: 重要文化財。龍や仙人、唐子が奇怪かつ超絶技巧で描かれた襖絵。
- 柳原義達記念館: 日本の戦後具象彫刻を代表する彫刻家・柳原義達(津市生まれ)の迫力あるカラスや鳩などのブロンズ彫刻。
- スペインと西洋の美術: ダリやミロなど、スペイン美術を中心に体系的に収集された西洋美術コレクション。
鑑賞のコツ
曽我蕭白のダイナミックな襖絵は畳の間を意識して鑑賞できるように工夫されています。併設の「柳原義達記念館」は静かな時間が流れており、じっくりと彫刻のフォルムを360度から堪能できます。
施設情報・アクセス
- 住所: 〒514-0007 三重県津市大谷町11
- アクセス: JR・近鉄「津駅」西口より徒歩約10分
- 開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 公式サイト: 三重県立美術館
豆知識
見どころの曽我蕭白「旧永島家障壁画」44面は、6年におよぶ修復を経て、開館30周年の2012年に記念展「蕭白ショック!!」で一挙公開され、大きな話題を呼びました。建物は富家宏泰の設計で、公共建築百選にも選ばれています。