山口県立美術館:雪舟の精神を受け継ぐ、山口の古美術と現代写真の殿堂

山口県立美術館:雪舟の精神を受け継ぐ、山口の古美術と現代写真の殿堂

美術館

山口市の一の坂川近くにある山口県立美術館。画聖・雪舟をはじめとする東洋古美術や、室町文化の遺産、さらに日本の戦後写真を代表する林忠彦のアーカイブなどを所蔵。

はじめに:古い街並みに調和する、緑の並木道の奥のレンガ建築

山口市の歴史情緒あふれる「一の坂川」近くの公園内に建つ山口県立美術館は、1979年に開館しました。鬼頭梓建築設計事務所の設計による、落ち着いたレンガ調の外壁と重厚な和の屋根を思わせるコンクリートが対比する建物は、周囲の豊かな並木道や歴史的景観と美しく調和しています。

時代背景:西の京・山口と雪舟の画業

山口(周防)は室町時代、守護大名・大内氏のもとで「西の京」として華やかな大内文化が花開いた地です。水墨画の画聖・雪舟は山口にアトリエ「雲谷庵」を構え、多くの傑作を描きました。当館は雪舟の精神を受け継ぐ水墨画や、山口ゆかりの東洋工芸・日本画の宝庫となっています。

3つの見どころ

  • 雪舟と水墨画コレクション: 雪舟や、その門流である雲谷等顔などの描く、精神性の高いダイナミックな水墨画。
  • 林忠彦写真コレクション: 織田作之助、太宰治、坂口安吾などの文士の肖像写真で有名な林忠彦(周南市出身)の貴重なアーカイブ。
  • 大内文化の工芸美術: 大内塗(漆芸)や茶道具など、京都に代わる文化都市として栄えた山口の歴史的工芸。

鑑賞のコツ

美術館周辺は、春には桜、初夏にはゲンジボタルが飛び交う「一の坂川」の美しい散策路があります。山口の情緒を感じる川沿いの散歩とセットで訪れるのが最高の休日コースです。

施設情報・アクセス

  • 住所: 〒753-0089 山口県山口市亀山町3-1
  • アクセス: JR「山口駅」より徒歩約15分、またはバスで「県立美術館前」下車すぐ
  • 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
  • 公式サイト: 山口県立美術館

豆知識

当館誕生のきっかけは、山口県出身の画家・香月泰男の死後、シベリア抑留の体験を描いた代表作〈シベリア・シリーズ〉が遺族から県に寄贈されたことでした。全57点からなるこの連作は、いまも当館コレクションの核です。