静嘉堂文庫美術館:三菱の岩崎家が守った、世界に3椀のみの国宝「曜変天目」

静嘉堂文庫美術館:三菱の岩崎家が守った、世界に3椀のみの国宝「曜変天目」

美術館

三菱2代社長・岩崎彌之助と4代社長・小彌太が二代にわたり蒐集した東洋古美術の殿堂、静嘉堂文庫美術館。2022年に丸の内の明治生命館へ移転し、国宝「曜変天目」を中心とする名品を公開している。

はじめに:丸の内の一等地で守られる、東洋美術の至宝

静嘉堂文庫美術館は、三菱財閥の岩崎家が二代にわたって蒐集した東洋古美術品と古典籍を収蔵する美術館です。2022年、創設130周年を機に、世田谷区岡本から東京駅前・丸の内の歴史的建築「明治生命館」内へと移転し、「静嘉堂@丸の内」の愛称で新たなスタートを切りました。国宝7件、重要文化財84件を含むコレクションの中でも、完全な形で現存するものが世界にわずか3椀しかない国宝「曜変天目(稲葉天目)」は、当館の象徴的な存在です。

時代背景:三菱の礎を築いた岩崎家の美への情熱

三菱の2代社長・岩崎彌之助は、明治期の急激な近代化により海外へ流出しかねなかった日本や中国の古典籍・美術品の保護を志し、静嘉堂文庫を創設しました。その事業は息子である4代社長・岩崎小彌太に引き継がれ、曜変天目をはじめとする陶磁器や絵画の名品が次々と加えられていきました。彌之助が明治期に思い描いていた「丸の内にミュージアムを」という構想は、130年の時を経て2022年についに実現しています。

3つの見どころ

  • 国宝「曜変天目(稲葉天目)」: 建窯で焼かれた黒釉茶碗で、内側に浮かぶ星々のような光彩が特徴。完全な形で現存する3椀のうち、随一の輝きを誇るとされる至宝です。
  • 明治生命館という舞台: 昭和初期に建てられた壮麗なネオクラシック様式の重要文化財建築の中で、東洋古美術を鑑賞できるという唯一無二の体験ができます。
  • 琳派・古典籍コレクション: 曜変天目だけでなく、俵屋宗達や尾形光琳ら琳派の絵画、貴重な和漢の古典籍も豊富に収蔵しています。

施設情報・アクセス

  • 住所: 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1階
  • アクセス: JR「東京駅」丸の内南口より徒歩約5分
  • 開館時間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始
  • 公式サイト: 静嘉堂文庫美術館