三菱一号館美術館:丸の内のビル街に佇む、クイーン・アン様式の赤レンガ洋館
東京・丸の内にある三菱一号館美術館。1894年竣工の英国風洋館をレプリカ再建。ジョサイア・コンドル設計の煉瓦美と、ロートレックやオディロン・ルドンなどの19世紀末近代美術を所蔵。
はじめに:近代都市・丸の内の歴史のルーツを伝える美しいレンガ洋館
東京駅近く、超高層ビルが並ぶ丸の内オフィス街のど真ん中に突如現れるクラシカルな赤レンガの洋館、三菱一号館美術館。2010年に開館しました。この建物は、1894年(明治27年)に三菱が丸の内に建てた最初の近代的オフィスビル「三菱一号館」(ジョサイア・コンドル設計)が老朽化で解体された後、当時の設計図を元に素材や工法まで忠実に再現して再建したものです。緑豊かな中庭「一号館広場」を併設し、丸の内の憩いのオアシスとなっています。
時代背景:19世紀末のフランス近代美術へのオマージュ
当館は、建物が建設された1890年代とほぼ同じ時代にパリで花開いた「19世紀末美術」の収集に特化しています。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの貴重なポスターや版画、オディロン・ルドンの大パステル画などを多数所蔵。ガス灯のような照明や木製の窓枠がある展示室は、当時のパリのサロンに迷い込んだかのような雰囲気を味わえます。
3つの見どころ
- ジョサイア・コンドルの煉瓦建築再現: クイーン・アン様式の美しい暖炉、螺旋階段、数百万個の赤レンガが作り出す明治のロマン。
- ロートレックとルドン: パリのキャバレー文化を描いたロートレックの躍動的なリトグラフや、ルドンの神秘的な絵画。
- Cafe 1894: かつて銀行の営業室として使われていた高い吹き抜けのクラシックな木造空間を再現した、圧倒的な雰囲気のミュージアムカフェ。
鑑賞のコツ
東京駅丸の内南口から徒歩数分のアクセスの良さが魅力です。展示室の各所にある古いタイプの木製二重窓からは、丸の内の超高層ビルと、美しい中庭の緑が対比を成す絵画のような風景が楽しめます。
施設情報・アクセス
- 住所: 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
- アクセス: JR「東京駅」丸の内南口より徒歩約5分、または「有楽町駅」国際フォーラム口より徒歩約6分
- 開館時間: 10:00~18:00(祝日を除く金曜・展覧会会期最終週平日は21:00まで、入館は閉館30分前まで。※2023年からの長期修繕を経て2024年11月に再開館)
- 休館日: 月曜日(祝日・振替休日の場合は開館、会期最終週は開館)、年末年始、展示替え期間
- 公式サイト: 三菱一号館美術館
豆知識
ロートレックのリトグラフやポスターを200点以上まとめて所蔵しており、画家の故郷であるフランス・アルビ市のトゥールーズ=ロートレック美術館と姉妹館提携を結んでいます。展示室は歴史的建築の構造を活かした約40㎡の小部屋が20室連なる、他にない構成です。