植田正治写真美術館:大山を望むコンクリートの窓に浮かぶ、砂丘のアート写真
鳥取県伯耆町にある植田正治写真美術館。世界的写真家・植田正治のシュルレアリスム風「砂丘写真」を多数所蔵。高松伸設計のコンクリート建築の隙間から望む名峰・大山(だいせん)の逆さ富士が人気の絶景アート空間です。
はじめに:大山を額縁に切り取る、モダン建築の傑作
鳥取県の名峰・大山(だいせん)のふもとの田園地帯に突如現れる植田正治写真美術館。1995年に開館したこの建物は、建築家・高松伸が設計しました。コンクリート打ちっぱなしの4つの直方体が並ぶ独特のデザインで、建物内の水盤越しに大山の雄大な姿を「逆さ富士」のように切り取る水のスリット窓が有名で、それ自体が完璧な額縁に入った写真作品のようです。
時代背景:「Ueda-cho(植田調)」と砂丘の世界観
鳥取出身の写真家・植田正治(1913-2000)は、鳥取砂丘を舞台に、被写体の人物をまるでチェスの駒のように巧みに配置する独特の演出写真を作り出し、フランスをはじめ世界中で「Ueda-cho(ウエダチョウ=植田調)」として絶賛されました。彼の写真は、ユーモラスでありながら奇妙な孤独感と、シュルレアリスムの絵画のような詩情を醸し出しています。
3つの見どころ
- 植田調の写真コレクション: 帽子をかぶった子供やシルクハットの男たちが砂丘に並ぶ、代表作「砂丘シリーズ」。
- 水盤の窓から望む大山: コンクリートの隙間に張られた静かな水面に映る、大山の美しい山並み。
- 世界最大のカメラレンズ: 展示室内に設けられた巨大なピンホールカメラの原理で、大山のリアルタイムの姿を壁に映し出す体験空間。
鑑賞のコツ
天候の良い日を狙って訪れるのがベストです。水盤にきれいに大山が映り込む様子は非常にフォトジェニックで、多くの写真愛好家の憧れの場所となっています。
施設情報・アクセス
- 住所: 〒689-4103 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
- アクセス: JR山陰本線「米子駅」よりタクシーで約20分、またはJR「岸本駅」よりタクシー約5分
- 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日: 火曜日(祝日の場合は翌日)、12月〜2月の冬季休館
- 公式サイト: 植田正治写真美術館
豆知識
植田正治は生涯のほとんどを故郷・鳥取で過ごし、「アマチュア精神」を掲げて撮り続けた写真家です。2000年に87歳で亡くなる晩年まで現役で、ファッション写真の分野でも新境地を開きました。