東京都庭園美術館:旧朝香宮邸に息づく、日本におけるアール・デコ建築の精華

東京都庭園美術館:旧朝香宮邸に息づく、日本におけるアール・デコ建築の精華

美術館

1933年に竣工した旧朝香宮邸を活用した美術館。フランス留学中にアール・デコに魅了された朝香宮夫妻の意向により、フランス人芸術家の協力で完成した、建物そのものが美術品の空間。

はじめに:住まいそのものが、アール・デコの美術品

東京都庭園美術館は、1933年(昭和8年)に竣工した旧朝香宮邸を、建物ごと美術館として公開している珍しい施設です。展示室として使われる各部屋には、シャンデリアやガラスレリーフ、扉の意匠に至るまで、1920年代にフランスで隆盛した装飾様式「アール・デコ」が贅を尽くして施されており、建物そのものが最大の展示品となっています。緑豊かな日本庭園と西洋庭園も併設され、白金台の閑静な住宅街の中に佇む優雅な佇まいです。

時代背景:フランス留学がもたらした様式美への目覚め

皇族・朝香宮鳩彦王は、フランスへの留学中に1925年開催の「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(アール・デコ博)」を見学し、その様式美に深く魅了されました。帰国後の邸宅建設にあたり、宮内省内匠寮のスタッフに加え、フランス人芸術家アンリ・ラパンらを招いて室内装飾を手がけさせ、日本におけるアール・デコ建築の精華ともいうべき邸宅を完成させました。戦後は西武鉄道の迎賓館などを経て、1983年に東京都庭園美術館として一般公開が始まり、2015年には建物自体が国の重要文化財に指定されています。

3つの見どころ

  • ルネ・ラリックの「ガラスレリーフ扉」: ガラス工芸家ルネ・ラリックが手がけた玄関の見事なガラスレリーフ扉をはじめ、アンリ・ラパンによる室内装飾など、フランスの一流芸術家たちによる贅沢な意匠が随所に残されています。
  • 四季の庭園: 日本庭園と西洋庭園を併設し、建物の窓越しに眺める緑や、庭園を散策しながらの鑑賞など、建築と自然が調和した体験ができます。
  • 新館とのコントラスト: 現代的なガラス張りの新館が本館に増築されており、昭和初期の装飾美術と現代建築の対比を楽しめます。

施設情報・アクセス

  • 住所: 〒108-0071 東京都港区白金台5-21-9
  • アクセス: 都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」より徒歩約6分
  • 開館時間: 10:00~18:00(入館は17:30まで)
  • 休館日: 第2・第4水曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始
  • 公式サイト: 東京都庭園美術館